ぢぢい立ち食い蕎麦に咽び泣く

憧れとは違う。 そんな大それた物ではない。 あ、こん次来た時食おー!みたいな軽いノリで考えていた。 通りかかるといつも同じく、こん次とかまた今度とか仕切り直しの繰り返しが積み重なって、あり?と振り返ってみれば40数年が経過していた。

札幌地下鉄大通り駅の改札を出てすぐ、向かって左手に三越、正面に地下街ポールタウン入口があるのだが、右手側にあるのが日の出ビルで そこを通りかかる度に立ち食い蕎麦屋の鰹出汁の香りに捕縛されるのだ。 それは香り漂うなんて奥ゆかしいレベルではない。 放出する、発射する、撒き散らすみたいなえげつない充満ぶりで、明らかに基準値オーバー(何の基準か問うのは禁止)の行政指導モンなのだ。 常にこの一帯だけカツオ濃度が異常に高く、急性カツオ中毒に倒れる者も多いと聞く。 カツオ色一色に染まったこの危険地帯、それでもぢぢいは40数年の長きにわたって誘惑に屈する事なくやり過ごしてきた。

大体、蕎麦を堪能したいなら、名の通った店に行けば間違いない。 ぢぢいにもオキニの蕎麦屋があるから、味を忘れない程度にたま~に手繰りに行く。 気分次第で調子こいて日本酒チューチューしたりして、嗚呼、人生ってステキ♨等とにわかに人生満喫気分に浸ってみたりもする(←ペラい親爺と笑わば笑え)。 そんな美味い事間違いなしの店を差し置いて、立ち食い蕎麦如きに心乱されるぢぢいではない。 大体、人様を満足させようと言う価格設定じゃないだろう。 何だ、天ぷらそば390円って。 いや、ちょっと待て……何でそんな事知ってんだ俺。 あの店の品書きの前で立ち止まった覚えなど、一度たりともない。 なのに勘定が何の躊躇いもなくスッと出て来るって変だろ、何だそれ。 まるで通りすがりの無意識の内に、がっつり流し目でチェックして食う気マンマンだったみたいじゃないか!? 全くもって合点がいかぬ……誠に怪しからん。 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)のノッペラボーの話も蕎麦屋の屋台が出て来る事だし、あの蕎麦屋の経営主体がその末裔のムジナの一族という線も有り得るな。 油断している内に北海道までチェーン店展開してたとは、中々の才覚じゃないか……結婚し(以下略)。 これは是非とも実地に検証せねばなるまい。 毒を盛られるのも覚悟の上で、やむを得ず敵地に向かう。 重ねて強調しておくが、決してノリノリなどではない。 札幌の平和を守(以下略)。

現場は相変わらず邪悪なカツオ節のオーラに満ち満ちていた。 美味い蕎麦屋なら決してこうではない筈なのだが、この店ときたら下品で下世話で、何もかも否定したくなる要素ばかりだ。 しかもカウンターの向こう側にいるのは、明らかにパートタイマーの上下関係もへったくれもなさそうな3人の婆ちゃんで、人の注文もシカトこいて世間話に花咲かせてるし。 おもむろに咳ばらいでもして、あの、わたくしミシュランの方からお店の調査に伺いました、ぐらいのハッタリかましてみても、多分全く効かないんだろうな……「んー? お冷やかい?」みたいな明々後日方向の返しで撃破されそうな気がする。 諦めて力無く天ぷらそばを注文した。 すかさずオニみたいな勢いで現物が出現する。 オーダー受けの返事の代わりに現物、みたいなエグいリアクションに絶句するぢぢい…。 婆ぁ、手練れだな。 だが所詮立ち食い蕎麦……ほれ見ろ、麺もやっすい味だし、出汁も濃すぎてしょっぺーし、周囲はカツオ臭いし、サイテーの筈なのに何でこんなに幸せな気分なのか!? 何でこんなに満たされちゃうのか? いやー、久しぶりなんだけど昔からJR駅の安っぽい立ち食いそばとか、激安の定食屋の300円もしないようなラーメン食っては何か満足しちゃうのは何なんだろう? 情けないチープな味って分かってても、時間が経つと又食わずにゃいられねーみたいな(笑)。 ぢぢいは未だにああいう店の安物なりの麻薬的な味わいから抜けられません(←まだらに安上がりな男)。 そういう悩ましい嗜好ってないですか? ない? はい撤収(笑)。

前回の記事に寄せて頂いたコメントのラストの方で、紺ちゃんが貼ってくれた2016年のブラスエキスポ(Eu Tubaさん撮影)、右手からの動画でフレンチホルンのベルがまともにカメラに向いていたので、普段聴こえ難いホルンのラインがはっきり分かって楽しかったですo(^-^)o  以前kindooさんが撮影してくれた動画と並んで、フレンチホルン・フェチの方々が泣いて喜ぶ貴重な1本ですよね。 パオパオっぷりが気持ちいいですわ。 アフリカ象が好きっ! ……どうもすいませんでした……(←謝るぐらいならハナからやめとけ)。 昔の動画観てると、やっぱりカラーガードの林立するフラッグに真っ先に目が行ってしまいます。 もうそれだけでバンドの活気が伝わって来る気がして、大好きだったんだけどなー。 来期、また増えてくれないですかねー。

Sei爺が黄泉の国でセクハラ事件やらかして返品処理された上、目覚めた瞬間に条件反射のようにナース相手に猥褻物の開陳に及んで、とうとう医療施設からも追放の憂き目に遭ったらしい。 Sei爺、流石です。 それでこそぢぢブロの象徴。 どうか年末年始は御自宅でゆっくり静養されて、そっち方面の煩悩をお鎮め下さいませ(笑)。 病院宛ての始末書は、ぢぢいの代筆で提出しておきます。 ダメ押しになったらゴメンね。